『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』人が消える山、見つからない廃墟、かくれんぼしよう。【考察・ネタバレ】

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怖さ    ・
ストーリー ★★★★
グロさ   ・

公開:2025年 
制作:日本 
時間:104分 
監督:近藤亮太(「イシナガキクエを探しています」)
脚本金子鈴幸
総合プロデュース:
清水崇

キャスト
杉田雷麟 
平井亜門 
森田創 
藤井隆

あらすじ

「そのビデオテープには映ってはいけないものが映っている・・・」

敬太(杉田雷麟)は幼い頃、弟・日向が自分と出かけた山で失踪するという過去を持ち、今は失踪した人間を探すボランティア活動を続けていた。そして、ある日突然母から古いビデオテープが送られてくる。それは、日向がいなくなる瞬間を映したビデオテープだった。 霊感を持つ同居人の司(平井亜門)はそのテープに禍々しい雰囲気を感じ、敬太に深入りしないよう助言するが、敬太はずっと自分についてまわる忌まわしい過去を辿るべく動き出す。そんな敬太を記事ネタの対象として追いかけていた新聞記者の美琴(森田想)も帯同し、3人は日向がいなくなった“山”に向かう…。 

(C)2024 「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」製作委員会

 

 

 

ジャンプスケア(効果音や派手な演出で怖がらせること)なしの
久々に面白いジャパニーズホラーが見れてとても嬉しい!

主役の方、杉田雷麟(すぎた らいる)が
本名だと知ってびっくり。カッケェ
 
 

 

 

 

  『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』が観られるサブスク ☟  記事更新時点での情報)

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公開前から、期待大だったこの映画。
なかなかのスピード感でプライムビデオで配信が開始になりました。
とても嬉しい。(うちの県では上映されなかったので😭)      

 

 

必要最低限の情報しか与えられず
ひっそりジメジメした考察が捗る映画だったので
思うがままにまとめてみようと思います。🙎

 

 

 

以後ネタバレを含みます。

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”摩白山”の真実

弟が行方不明になった山・摩白山。

民宿の青年の話によると この山は、
神様や仏様、骨壺など”不要なものを捨てに行く場所”でもあるらしい。

青年のおばあちゃんは、経血の付いたパンツを捨てに行って
それ以来生理が来なくなった、というエピソードからも
不要なものと縁を切ることができる、不思議な力をもった場所 ということが分かる。



そして、その場所は、”不要なものを捨てたい”と思っている人の前にしか現れないらしい。
ハリーポッターの必要の部屋みたいな感じか。  

 

  • ビデオテープ内の様子から
    敬太は、弟を煩わしく思っていた。
  • 明洋大学山岳部失踪事件では、
    登山中に足を怪我した部員が足手まといだった?

 

  と、”不要なもの”がある場合にのみでてくる2階建ての施設。  

 

摩白山自体は、難しい山ではないため
遭難者の死体が発見されないことも
廃墟が見つからないこともありえないらしい。

なので、廃墟自体は確実にパラレルワールドのものということが分かる。

 

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謎が深まる”敬太”の人物像

この映画の主役・  兒玉敬太。

 

司の「敬太はとっくに、あの山の影響を受けている」 という言葉。
どういう意味だろうって結構考えた。

始めは、縁切り山で弟を捨ててきた、と思っていた。

しかし、司には出会ったときから
敬太の隣にいる弟の霊が見えていた。

つまり弟は、縁切り山でパラレルワールドに飛ばされたわけではなく、
階段から落ちて死んだ。
だから、霊として「敬太の隣にいる。最初から、ずっと。」

 

敬太が山に捨ててきた不要な物、
それは 『邪魔だと思っていた弟』自体ではなく、
『自分の監督不足で弟を死なせてしまったという事実』なのではないか。

 

  • 母親の死に気付かなかったのはなぜ?

実家の2階に行ったにも関わらず、
首を吊って死んでいる母親に気が付かなかった敬太。

司の言葉、「見ているはずなのに、見えていなかった。
敬太はとっくに、あの山の影響を受けている」
をそのまま受け取ると、

山に捨ててきた物の中に『煩わしい母親と父親の概念』もあるような気がした。
(過去のビデオテープの中で、母親に対してかなり反抗的な態度をとっていたし、
好きではなさそうな感じはした)

 

ただ、司が死んだ後も家族で過ごしていたっぽいし
母親が自殺したのは、ビデオテープを送った後なので数日しか経っていない。

なぜ自殺した母親が見えなかったのか。もしくは見なかったのかは謎のまま。

”自分に都合の悪い現実を直視する能力”でも山に捨ててきたんか。

 

 

  • 「2階怖いですか?」

 登山部の学生も、廃墟でこのセリフを口にした。
パラレルワールドを開いた本人が必ずいう合言葉みたいなもの?

 

  •      なぜ、もう一度廃墟に行くことができたのか。

 捨てたいことがある人にだけ現れる場所。
敬太がそこにもう一度たどり着けたつけた理由、それは
捨てたい人が現れたからなのでは?
真実を知りすぎようとしている司と美琴を
無意識に少し疎ましく思い始めたのではないかと。

だから消したい2人とも廃墟にたどり着くことができた。

そうなると主人公は単に、
”弟を行方不明にした過去を背負い、山の救助ボランティアに励む好青年”
ではなく、山の秘密を知っていた罪深く、傲慢な人間なのかもしれない。  

 

 

天野司



霊が見える敬太の同居人。

弟が、行方不明ではなくもう死んでいる、
という真実を敬太に告げたことで不要なもの判定をされ
パラレルワールドに飛ばされてしまう。


敬太の父親の骨壺と母親が送ってきた汚い荷物、
弟・日向の霊のいるアパートで
文句も言わずに生活してくれていたのに
最終的に行方不明になってしまい、確実に不憫枠。

 

 

久住美琴


救助ボランティアで少年を助けた敬太を取材したい新聞記者。

おそらく死んだ敬太の父に付きまとわれている。
なぜかは分からない。

施設の入口で、何者かの手に行くのを止められた。
おそらく止めた手は、敬太の父?
「うちの息子をよろしく頼む」なんて電話かけて来られたり。
なぜ敬太の父が美琴に固執しているのかは謎のまま。
ただそのおかげで、司のようにパラレルワールドに飛ばされずに済んだのではないか。

 

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民宿の青年・雪斗

摩白山の怪異の語り部をしてくれた青年。
「ばあちゃんが山に生理を捨てたんなら、母ちゃんは誰の子で
俺は、ばあちゃんの何なんだろう」とひと病みしているらしい。
(自分の出生がよく分からないの、病むよね)

ラストで、そんなに見る?っていうくらい
行方不明のポスターを見てたけど

自分が、日向かもしれないとか思ってる?
(日向は、霊感のある司が「もう死んでいる」と言い切っているので、
生きてはいないと思うけれど)

どことなく、日向の面影を持つキャスティングだった。

 

 

 

こんだけ、考察しておいてあれなんですが
題名は『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』
であり、
ところどころ、ビデオテープでとられているザラザラとした映像がある。
具体的に挙げると、

  • 登山部(映像はないが遺留品にビデオテープ)
  • パラレルワールドに迷い込んでしまった司
  • 行方不明の看板を見る雪斗
    →誰かに撮られていることにハッと気付く→消える というラスト

つまり、 ”ビデオカメラで撮られる”   ということ自体も
異界に行くきっかけの一つであるような気もする。

 

 

 

久々に考察を楽しめた、良い雰囲気のジャパニーズホラーでした🏔🏔👏

コメント 皆様のコメントでこの映画をより深く分析したい

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