ホラー映画でよく聞く
「幽霊」「死霊」「悪霊」「怨霊」って?
何が違うのだろう?
ということで、真剣に考察してみました。
※考察はあくまで個人の見解です。
【幽霊】 ユウレイ
1.死者の魂
2.死後をさまよっている霊魂。恨みや未練を訴えるために、この世に姿を現すとされるもの。
(出典:デジタル大辞泉)
元来は死霊を意味したが、のちに怨念や執念を残して死んだ人の霊が、成仏できずにこの世に姿を現したと考えるのをいうようになった。西洋でも、弔われない人・殺された人・希望や責任を遂げないままで死んだ人・罪人、などが、幽霊になって出ると考えられている。
(出典:世界宗教用語大辞典)
幽霊は、もともと死んだ人の魂全般を意味していたようです。
少しずつ、
幽霊=成仏出来てない人=この世に恨みがある
という発想で、 ” 怖いもの ” というイメージがついてきた感じがありますが、
他の3つよりは害は少なく、攻撃性も弱い印象。
幽霊が題名にある映画をみてみると
こんな感じ。
もちろん、題名に「幽霊」がつくホラー映画はたくさんありますが、
ホラー映画以外でも、「幽霊」は使われています。
つまり良くも悪くも、この世に未練を残して死んだ人たち
という意味合いが強そう。
【死霊】シレイ/シリョウ
死霊とは人にとりついて祟りをする怨霊のこと
(出典:広辞苑)
死者の霊魂。また、死者の怨霊(おんりょう)。しれい。⇔生き霊(りょう)。
(出典:デジタル大辞泉)
死者の霊魂をいい、アニミズムの主要構成要素。人の失神や夢は、霊が身体から一時的に離脱するのだと考えられ、またその永久離脱が死だと考えられた。その死霊は生者に禍福をもたらすとみなされ、これを恐れたり祀ったりする死霊信仰が生まれた。死霊は親族・縁者が供養することによって死穢を脱し、祖霊化して祖霊群の仲間に入り、子孫を守護する存在となる、との考えもある。→ 祖先崇拝
(出典:世界宗教用語大辞典)
「死霊」は、「幽霊」と似ていますが、
幽霊との違いは、恨みがあることが前提なところ。
色々な辞典を調べても「死霊」の説明には必ず
”恨み”や”祟り”といったネガティブな文字が含まれていました。
ただ、世界宗教用語大辞典は逆の説明で
死霊が「死者の魂全般」
幽霊が「怨念や執念を残して死んだ者の魂」
という説明でした。
日本と海外の考え方の違いでしょうか。
さすがに「死霊」の題名で、ヒューマンドラマやラブロマンスの映画はなかったです。
完全にホラーの領域ですね。
【悪霊】アクレイ/アクリョウ
神話、宗教や小説における超自然的な悪しき霊。キリスト教や仏教など宗教ごとに意味は異なるほか地域ごとにも意味は異なる。たたりをする死霊を指す宗教もある。
(出典:広辞苑)
人にたたりをする霊魂。物の怪(け)。怨霊(おんりょう)。
(出典:デジタル大辞泉)
たたりをする死霊・生霊。シベリアの神話などにも出てくる。日本では物の怪。
(出典:世界宗教用語大辞典)
「悪霊」は、漢字の通り、悪い霊。
「死霊」との違いは、生きている場合もある、というところでしょうか。
「死霊」「生霊」どちらでも、悪いことをする霊は、「悪霊」にあたります。
そして調べたかぎり、恨みがあるとは限らない印象。
根っからの悪人だった人の霊とか、
なぜか分からないけど悪魔からとばっちりを受けた霊とか。
恨みはないけど、人に悪影響を与える霊はすべて「悪霊」に含まれそうです。
【怨霊】オンレイ/オンリョウ
受けた仕打ちにうらみを抱いて、たたりをする死霊または生き霊。
(出典:デジタル大辞泉)
「怨霊」もまた、死んでいる魂のみならず、生き霊の場合もあります。
個人的な見解ですが、「怨霊」は恨みレベルMAXのイメージ。
恨みが強すぎて、もはや誰に何の恨みを抱いていたかを忘れ
憎しみの感情だけで、対象者以外にもバシバシ害を与え続けるノンストップ有害霊です。
個人的には、『貞子』とか『テケテケ』とか都市伝説になりうるもの、
あとは続編がたくさんある作品は、怨霊と言ってもいい気がする。
考察
無理矢理、Yes/noフローチャートを作ってみると
こんな感じでしょうか。
個人の見解ですが、有害性と凶暴性を表すと
こんな感じ。
洋画の日本語タイトルは
配給会社さんか、翻訳者さんの匙加減と語感で決めていると思うので
真剣に考察するだけ時間の無駄かもしれません。
個人的なニュアンスとしては、
幽霊 → Ghost
死霊 → ぎりGhost もしくはDevil
悪霊 → Devil
怨霊 → Devil
といったところ。
悪霊と怨霊は、裏で悪魔が操っている話が多いんではないかな。
幽霊・死霊は、生前の悲惨な物語(霊の背景)に焦点を当てた作品が多い中、
悪霊と怨霊は、急に悪魔祓いが始まるような・・・。
まとめ
諸説ある深い分野ですが、個人的にまとめると以下のようになりました。
【幽霊】良くも悪くもこの世に未練を残して死んだ人の魂
【死霊】恨みを持って死んだ人の魂
【悪霊】悪さをする霊の魂(生き霊も含む)
【怨霊】強めの恨みをもっている人の魂(生き霊も含む)
ちなみに「‐霊」は「れい」と読むのも「りょう」と読むのも
どちらも間違いではないようです。
ピエロ、道化師、クラウンのような
一括りで使われていそうで、近しい意味ではあるんだけど
ほんの少しニュアンスが違う言葉たちでした。
コメント 皆様のコメントでこの映画をより深く分析したい